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今回は、form・Zのマニュアル(RenderZone/RadioZity 6-88ページ「6.2.8 木のレンダリング」)にもある“板ポリゴンによる樹木の疑似表現”について、補足する形でもう少し掘り下げてみます。

[form・Z Tips_02]

2002/07/03

簡単!板ポリ樹木の製作(前編)
〜マニュアルを補足する〜

樹木などの有機物は、形状が非常に複雑かつ不規則です。これを正確に3Dモデリングしようとすると、恐ろしく膨大な労力と高価なマシンスペックを必要とするでしょう。
よって、通常は樹木の『疑似表現』をすることになり、目的、精度、好みに合わせて多様な疑似表現方法があります。例えばボリュームレンダリングや専用シェーダー等による高度な表現や、フラクタルによる自動モデリング、単純なプリミティブの組合せによるデフォルメ表現、etc..
その中でも今回は、“板ポリゴンによる樹木の疑似表現(以下“板ポリ樹木”と略)”の制作について、私なりの制作手法をご紹介します。


板ポリ樹木は、モデルのポリゴン数の少なさを詳細な画像マッピングで補うという表現スタイルです。“だまし絵”的表現と言っても良いでしょう。

板ポリ樹木の特徴
【メリット】
  • ポリゴン数が非常に少ない
  • モデリングに時間がかからない
  • プロジェクト内に多数配置しても負荷が少ない
  • 高精度な写真等のマッピングでかなりリアルな結果が得られる
【デメリット】
  • マッピング用の画像が入手できないものは作成できない(当たり前か)
  • カメラの向きによっては板ポリであることがバレる(=使えない)
  • 画像マッピングの準備(切り抜き)に時間がかかる(ただし、切り抜き済み画像を入手すれば問題なし)
  • ライティングによる陰影を精確に表現できない

では、以下に“板ポリ樹木 作成手順”を示します。我流なのでマニュアルとは多少違いますが、ご容赦ください。


1.マッピング用の画像準備

マッピング用の画像を準備します。画像には大きく、(A)市販の素材集など切り抜き作業の不要なもの、(B)自前の写真など切り抜き作業の必要なものの二通りがあります。準備にかかる費用と手間の違いがあるので、状況や目的に応じて下記(A)/(B)のどちらかの準備作業を行なってください。

 

1-(A).市販の素材集
素材集はたいてい切り抜き作業済み(=アルファチャンネル付き)なので、購入するだけで準備完了。おわり。‥‥と、これだけでは後ろめたいので代表的な素材集をご紹介します。

株式会社ファインの「添景工房」シリーズ
外観樹木や人物などの著作権フリーな高解像度添景画像

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低解像度ながらも豊富な添景画像データを無料でダウンロードできます。

この時注意したいのは、素材の画像形式です。基本的に 無圧縮 か 可逆圧縮 の画像形式(TIFFなど)を使用し、 非可逆圧縮 の画像(JPEGなど)は使用しないでください。
非可逆圧縮は圧縮率を高めるためにRGB値を微妙に変化させますが、それにより黒(R:G:B=0:0:0)が完全な黒でなくなってしまう部分が出てきてしまいます。form・Zは完全な黒を100%透明として処理するため、JPEG画像などでは樹木の周囲に透明にならない部分が出てくる事があります。

 

1-(B).自前の写真など

素材集にはないローカルorマイナーな樹木が必要な時や、素材集を買う余裕が無い時は、やはり自前で写真撮影して利用することになります。後々に切り抜き作業する事を考えて、撮影対象とする樹木はできるだけ周囲がすっきりした場所に単独で植えられているものをチョイスしましょう。また樹木が歪まないよう、なるべく遠距離から望遠レンズを使用して撮影すると良い結果が得られます。

写真をデジタル化してPCに取り込んだら、次は切り抜き作業です。切り抜きは、樹木の周囲を黒で塗りつぶしていっても良いですが、仕上がりの美しさや作業のやりやすさから“アルファチャンネルの追加”による作業がベターです。樹木のシルエットを白、周囲を黒としたアルファチャンネル画像を作成します。作成の詳細は、お使いのフォトレタッチソフトのマニュアルを参照してください。もちろん保存の際は非圧縮またはTIFFなどの可逆圧縮を使用して下さい(1-(A)参照)。

 

2.板ポリのモデリング

板ポリのモデリングには、普通に[2次元サーフェースの作成]モードと[矩形]コマンドで“四角いポリゴン”を作るだけです。

2次元サーフェースの作成モードアイコン[2次元サーフェースの作成]モード

矩形コマンドアイコン[矩形]コマンド

ただし、この時のポリゴンの寸法は、マッピング画像の縦横比をもとにした、実際の樹木相当の大きさにしておいてください。例えば、樹木の画像が200×300ピクセルならば縦横比は2:3なので、ポリゴンは4×6mや6×9mといったサイズで作成します。

また、後ほどのテクスチャマッピングがやりやすいように、X-Y平面上にポリゴンを作成してください(=ポリゴンを寝たままにしておきます)。

 

3.質感の設定

[質感パレット]をクリックして新しい質感を作成します。

質感パラメータウィンドウ[カラー]パラメータには[画像マッピング]を指定して、[オプション]から準備した画像を[ロード]します。その時、[タイリング設定]では水平・垂直方向ともに[1回][中心]をそれぞれ選んでおきます。

[反射]パラメータには[コンスタント]を指定します。これでライトの影響を一切受けなくなります。
なぜ[コンスタント]にするのかというと、“樹木の画像”がすでに現実のライト(太陽)の影響を受けている画像なので、form・Z上で再度ライトの影響を与える必要性がないからです。

[透明]パラメータには[画像マッピング]を指定して、[オプション]から[カラー属性と合わせる]をクリックすると、ロードなどの手間が省けます。そして[アルファチャンネルを使用]にチェックを入れるのを忘れずに。

 

4.テクスチャマッピング

[テクスチャマッピング]コマンドで板ポリを選択し、[テクスチャマッピングの編集]ウィンドウを表示させます。

[割り当て]で“樹木の質感”を選択します。

[ラップテクスチャ]パラメータの[マッピングの種類]では[フラット]を選択し、[ロックするサイズ]を[なし]にしてから、水平・垂直方向のタイリングをそれぞれ[回数:1][中心]にします。


これで、最低限の作業は完了です。
“板ポリ樹木”をX軸に90゜回転させて立たせ、地面をモデリングしてその上に“板ポリ樹木”を置き、レンダリングして仕上がり具合を確認してください。

でも、このままでは影が矩形となり、板ポリであることがバレバレですね。
次回は、この影の処理を行ないたいと思います。


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